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屋上緑化の基礎知識

人工土壌

人工土壌の区分と留意点

一般的に軽量土壌は、成分から分類すると無機質系人工軽量土壌、有機・無機質混合人工軽量土壌、有機質系人工軽量土壌があります。有機質系人工軽量土壌の場合、有機質が分解することにより窒素飢餓と地盤沈下の恐れが生じます。一般的には有機質混合の人工軽量土壌が適します。
また、養分要求量は造園樹木と草花では異なります。一般的に野菜は一番養分要求量が多く、次に草花、ハーブ、家庭果樹、花木、針葉樹の順になります。一方、屋上などでは樹木があまり大きく生長すると、荷重負荷や剪定作業などの問題が生じるため、植栽する植物に適した土壌を選ぶことが管理にも影響することになります。

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優良な人工土壌の条件

下記の3つの条件が揃った時に「優良な人工軽量土壌」と呼べます。

  1. 物理性(保水性・排水性・通気性など)・化学性(pH・窒素・リン酸・カリウムなど)・生物性(土壌微生物の多様性・活性など)のバランスが取れている土壌
  2. 樹木をしっかり支えられる粘着性がある土壌
  3. 原材料の生産元が明らかで、厳しい安全基準を合格した透明性・安全性のある土壌

よい人工軽量土壌の関係図

比重からの分類と留意点

比重から分類すると、比重が0.6~0.8 の土壌改良資材を主成分とした既存建物屋上等を考慮した人工軽量土壌と、火山砂利やリサイクル資材などを主成分とした比重が約0.9 前後の人工軽量土壌があります。なお、リサイクル資材を使用した軽量土壌は有害物質などを含まない、製品の保証されたものを使用することが大切です。また、あまり軽量な土壌は飛散する問題があります。いずれの場合でも、土壌成分表や実績のあるものを選ぶのが良いでしょう。

人工土壌に求められる新しい要素

屋上緑化に使用する土壌とりわけ人工土壌は、軽量化に加えて確実な排水性と保水性という、まったく矛盾した性能を同時に解決する必要がありました。人工土壌の性能は、コストダウン化、作業性向上、経年後でも安定した品質を保つための工夫などにより進化してきました。例えば素材の持つ自然性では、今まであまり気にされなかった色、手触り、匂いなども重要な要素になってきました。
また土壌微生物や土壌小動物の生息バランスまでもが問われる時代になってきています。今後はこれら基本性能に加え「周辺への環境配慮」や「安全性」といった、いわば供給側の責任が問われ始めています。

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