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樹木支柱の基礎知識

樹木支持材の種類

近年、樹木支柱は景観や人の動線を邪魔しない樹木支柱が主流となっています。
風が強い場所では、ワイヤー支柱などの上部支柱と併用されるケースが増加しています。
以下に樹木支柱タイプの選定の目安を掲載しました。

分類 支柱の種類 概略の評価 計算根拠 該当
樹木
設置方法・特長
修景性 耐風性 耐久性 施工性 コスト 屋上適正
地上支柱 八掛け支柱 × × × 中木
高木
従来型で竹や丸太で3方向から支える方法。土壌厚がある場合に使用。支持力が高い。人工軽量土壌では根かせ、建築躯体・押えコンクリート等へ接着した鋼板+取付金具などの根元対策が必要。
布掛け支柱 × × × 中木
高木
主に中木の生垣や列植などに用い、唐竹や丸太を使用して支える方法。土壌厚がある場合に使用。人工軽量土壌においては根かせ、建築躯体などへ接着した鋼板+取付金具などの根元対策、他の支持物と併用などが必要。
ワイヤー支柱 中木
高木
ワイヤーを使用して固定する方法。建築物躯体や押えコンクリートなどに設置したアンカーやフックの場合、防水層に注意。押えコンクリートなどに接着した鋼板に設置したフックを使用する場合、接着強度に注意。アンカーやフックの強度に注意。
地中埋設型
ワイヤー支柱
高木 土壌下部の溶接金網、単管井桁、抵抗板などにアンカーやフックで固定したワイヤーを使用して固定する方法。土壌厚が薄い場合や、人工軽量土壌などでは支持力に注意。
鳥居支柱 × × × × 高木 街路樹等高木に使用する工法。丸太を使用し鳥居状に組立てる。土壌厚が薄い場合、押えコンクリートなどへ接着した鋼板+取付金具などの根元対策が必要。
金属パイプ
支柱
× × × × 高木 デザイン性を考慮した場所に適する。樹木の肥大に合わせ交換が必要。通常は地中に打ち込んだアンカーなどに金属パイプを取付ける。土壌厚が薄い場合、押えコンクリート等へ接着した鋼板+取付金具などの根元対策が必要。
樹木支柱 抵抗板設置固定タイプ 低木
中木
高木
抵抗板を使用し、土壌の下に敷設して根鉢を固定する方法。根鉢の崩れやすいものは不可。外構樹木はもとより、屋上でも使用化。支柱が見えず、景観的に好ましい。
杭式井桁
固定タイプ
× 低木
中木
高木
低木から高木までを対象とした打込式の樹木支柱。アンカーの引抜き摩擦抵抗力を用いて支持する。
躯体
固定タイプ

高木
中木
人工地盤上で特に狭小地において使用する。人工地盤層から躯体アンカーにて反力が取れる場合に採用。アンカー引抜き力には限界があるため、アンカーの本数によって強度のバランスを取り、樹木を支持する。

凡例) ○:優れる △:やや劣る ×:劣る

風による樹木のしなりを強制的に抑制する地上支柱

 上部支柱(八掛け・布掛け・ワイヤー・鳥居・金属タイプ)は、風を受ける樹木上部を物理的に固定するため安心感はありますが、樹木の復元力を利用できません。支柱材に直接荷重がかかるため、想定以上の荷重を受けた時は危険な場合があります。

八掛け支柱など

根の生長に影響の少ない固定板

 樹木支柱は根鉢を固定板により固定することで、樹木転倒を防止するものです。固定板の根の生長への影響を検証しました。

根の生育実験